黑料门

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西村 祐樹Yuki Nishimura

株式会社 明治
グローバルフードソリューション事業本部 BtoB事業部 カカオ?素材G

永井 啓允Hiromitsu Nagai

株式会社 明治
グローバルフードソリューション事業本部 アプリケーション部 アプリケーション開発1G

なめらかな口溶けと、浓厚な味わいを楽しめる生チョコレート。人気スイーツの一つですが、要冷蔵で赏味期限が短いため、いつでもどこでも気軽に买えるわけではありません。明治は、そこに课题を见いだし、常温で长期保存できる生チョコ「瑞练みずねり<生ショコラ>」を开発しました。现在は、业务用のレシピやメニュー开発を行う「明治アプリケーションセンター」を通して、叠迟辞叠市场で広めようと取り组んでいます。

常识を覆すこの生チョコは、従来であれば保存性の面で気軽に购入できなかった生チョコを、いつでも手を伸ばせる存在に変えることが期待されています。今回は、革新的な生チョコを生み出した技术开発と、それを広めるための取り组みをご绍介します。

课题意识から、新しい生チョコの开発へ

「瑞练<生ショコラ>」の開発を主導したのは、お土産?ギフト市場向けの業務用製菓素材の研究開発に携わる西村祐樹でした。きっかけは、西村が出張先の北海道で生チョコを買って帰ろうとしたとき、保冷剤と保冷バッグもセットで購入しなければならず、持ち運びの不便さを感じたことでした。

商品に加え保冷剤と保冷バッグを购入すると、高価格帯になってしまいます。生チョコは消费者の购买意欲が高い商品だからこそ、保存性の低さを解决できたら、谁もが喜ぶはず──。

そんな発想から、新たな生チョコの开発が始まりました。

明治ならではの知见で生まれた、特殊な技术

「生チョコ」は、公正取引委员会によって厳格な规格が设けられています。全重量に対して水分が10%以上、生クリームが10%以上、チョコレート生地が60%以上でなければ、生チョコレートとして表示できません。通常のチョコレートに比べて水分をたっぷりと含むことでなめらかな口溶けを実现していますが、それが保存性の低さにつながり、一般的には冷蔵保存で赏味期限が2~3週间程度となっています。こうした条件はアルコールや添加物を加えると缓和できますが、嗜好しこう上の课题が出てきます。

生チョコの规格を満たしながら、保存性を高めるにはどうすればいいか。西村は水分量を规格のギリギリまで抑え、さらに水分の存在状态を変えることで、微生物が繁殖するリスクを低减しようと试みました。

一般的な生チョコは水分中に油分が乳化した构造で水分活性が高くなることから、保存性や耐熱性が低くなります。一方、「瑞练<生ショコラ>」では、水分、油分、固形分がお互いに絡み合う特殊な構造にすることで水分活性を抑え、微生物が繁殖するリスクを低減しました。

そして、この構造を実現する技術は、チョコレートとは別の食品の知見や設備を生かしたもの。さまざまなお菓子や食品を生み出してきた明治だからこそ、多様な技術を持つ技術者がいます。西村自身もアイデアを出しながら、研究?製造部門と連携することで、添加物を一切使わず常温で6カ月と長期保存可能な生チョコ「瑞练」が誕生したのです。

水分活性…食品中で微生物が利用できる水分の割合を示したもの。水分活性が高いほど、微生物が増殖しやすくなる。

保存性とおいしさを両立するこだわり

これまでにない技术の开発には苦労が絶えませんが、最も难しかったのは「保存性とおいしさをいかに両立させるか」だったと、西村は语ります。

生チョコといえば谁もがイメージする、なめらかな口溶けと浓厚な味わい――。それを実现するために、たっぷりの生クリームで口溶け良く、ナッツのようなフレーバーが特徴のベネズエラ产カカオ豆で香りを立たせるなど、彻底的にこだわりました。细かい配合を试行错误することで、保存性とおいしさを高めるバランスに仕上がっています。

また、西村は「瑞练<生ショコラ>」の賞味期限を順次延長していく計画を立てており、今後の展開について夢を膨らませています。

赏味期限の延长によって、防灾用の备蓄食品としても活用できるのではないかと期待しています。日持ちするだけでなく、おいしい。そんな备蓄食品があれば、多くの人に喜んでいただけると思うんです。

叠迟辞叠市场の拡大で、目指す未来

どんなにいい商品であっても世の中に普及しなければ意味がありません。そこで西村は現在、「瑞练<生ショコラ>」の市場拡大に取り組んでいます。特に重視しているのが、「明治アプリケーションセンター」との連携。同施設では、業務用レシピ開発に精通した永井啓允が、「瑞练<生ショコラ>」の使い方を顧客へと提案しています。

食品加工は“機械産業”。画期的な素材があっても、製造設備に落とし込めなければ意味がありません。この施設では工場で使用する機械を数多くそろえており、顧客と一緒に手を動かしながら、瑞练に適した機械や製造工程、レシピを検証しています。

「瑞练<生ショコラ>」はこれまでにない商品であるがゆえ、永井自身も試行錯誤の連続。この素材の特長をいかにうまく顧客に届けるかを考えながら、メニュー開発に努めています。現在は手作業で使っている顧客が多いため、加工できる機械の探索や、顧客の工場設備への適正が今後の課題です。

そして、こうした业务用素材としての市场拡大は、チョコレートの可能性を広げることにもつながると西村は信じています。

业务用の良いところは、素材であること。お客さまの多様なアイデアで加工されることによって、新たな惊きのあるチョコレート商品が次々と消费者の皆さまへ届けられるのです。これからも、ただおいしいだけではない、お客さまに寄り添った製品を开発していきたいですね。